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その他潤滑油 2024.09.05(Thu)

潤滑油を加熱するとどうなる?4つのデメリットと耐熱性能が高い製品を紹介

潤滑油を加熱するとどうなる?4つのデメリットと耐熱性能が高い製品を紹介

潤滑油を加熱した際の変化を知ると、現場のリスク管理を適切に行なえます。

 

潤滑油は金属部品の摩擦や劣化を防ぐ役割があるものの、高温下では適切に潤滑できない可能性があります。

 

潤滑油の選定や機械のメンテナンスを適切に進めるには、高温下の潤滑油の変化を知ることが大事です。

 

この記事では、潤滑油を加熱した際の状況を段階ごとに解説します。

 

また、加熱状態の潤滑油を使用するデメリットや、さまざまな潤滑油の耐熱性能も紹介するので、高温環境での製品選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

潤滑油を加熱し続けるとどうなる?段階ごとに解説


潤滑油を加熱し続けるとどうなるか、3つの段階ごとに解説します。

 

  1. 粘度が低下する
  2. 酸化や劣化が進行する
  3. 引火・着火する

 

段階を経過するごとに、潤滑油としての機能が低下したり、引火や着火のリスクが高まったりと深刻なトラブルに発展しやすくなります。

 

事前に対策を講じるためにも、加熱による潤滑油の具体的な変化を確認しましょう。

 

段階①:粘度が低下する

潤滑油を加熱すると、粘度が低下します。

 

これは加熱により油分子間の結合力が弱まるためです。

 

加熱によって油の分子はより活発に動き、分子間の相互作用(引っ張り合い)が減少します。

 

分子が互いにより自由に動けるようになるため、油の流動性が向上し、結果として潤滑油の粘度が低下するのです。

 

その結果、金属同士の摩擦を保護できなくなり、機械部品への悪影響も考えられます。

 

ただし、粘度の低下は潤滑油の種類によって異なるため、種類に応じて確認が必要です。

 

【関連記事】粘度指数とは?計算方法や粘度指数向上剤のメリット・デメリットを解説

 

段階②:酸化や劣化が進行する

潤滑油の粘度が低下すると、酸化や劣化も進行します。

 

加熱を続けると化学反応が促進され、潤滑油の分子間の結合力が弱まります。

 

高温が続くと、潤滑油内での酸化反応が加速され、油が劣化しやすい状態です。

 

酸化された油は粘性がさらに低下し、スラッジなどの不純物を生成します。

 

不純物は機械の内部を汚染し、潤滑性能をさらに損なうだけでなく、部品の腐食を引き起こす可能性もあるでしょう。

 

段階③:引火・着火する

潤滑油の酸化や劣化が進行すると、最終的に引火、着火の危険が高まります。

 

潤滑油は加熱されるとその温度が上昇し、ある時点で引火点に達します。

 

引火点とは、液体の表面から十分な量の蒸気が発生し、空気中で簡単に火がつく最低の温度です。

 

引火点に達すると、潤滑油から発生する蒸気は空気と混合し、火花などによって着火する可能性があります。

 

なお、潤滑油の引火点は種類によって異なり、約120〜350℃です。

 

自然発火点は250〜350℃となっており、より高温下で潤滑油を加熱し続けることで、発火のリスクが高まります。

 

加熱状態の潤滑油を使用する4つのデメリット


潤滑油の加熱が続くと、以下のようなデメリットが生じます。

 

  1. 潤滑剤が流出しやすくなる
  2. 機械部品の劣化や摩耗が進行する
  3. スラッジが発生しやすくなる
  4. 出火のリスクが高まる

 

特に工場などで作業をする際は、潤滑油の加熱状態を確認しなければ、安全面でのリスクが高まります。

 

紹介するデメリットから具体的な対策を検討しましょう。

 

デメリット①:潤滑剤が流出しやすくなる

高温環境下では、潤滑剤が軟化から液体化と進行し、機械部品から流出する可能性があります。

 

潤滑剤のおもな役割は摩擦の軽減ですが、高温になると性質が変化し、潤滑性能が失われるのです。

 

潤滑油の流出を防ぐには、耐熱性能の高い潤滑剤を選択するか、機械の冷却システムを強化するなどの対策が必要となります。

 

状況に合わせた対策によって、潤滑剤の流出を防ぎ、機械の適切な動作を維持できるでしょう。

 

デメリット②:機械部品の劣化や摩耗が進行する

機械部品の潤滑剤が流出すると、部品同士の摩擦が進行します。

 

潤滑剤のおもな役割は、機械部品の摩擦面に油膜を形成し、部品同士の摩耗を防ぐことです。

 

しかし、潤滑剤が流出すると、部品は直接擦れ合うため、金属部品の摩耗や劣化の進行が早まります。

 

また、摩擦によって生じる摩擦熱によって、機械部品の形状が変化し、本来の機能が損なわれるリスクもあるでしょう。

 

デメリット③:スラッジが発生しやすくなる

高温になると機械内部の潤滑油が酸化し、不純物と混ざり合った結果、粘着質のスラッジが生じます。

 

スラッジは、機械部品にとって非常に厄介な存在です。

 

油路や機械部品にスラッジが溜まると油が詰まり、部品への潤滑油の供給が妨げられます。

 

その結果、金属部品の潤滑が進まず、摩耗も進行しかねません。

 

さらに、スラッジは部品の表面にこびりつき、凸凹を形成することで、機械部品の劣化につながるケースも多くなります。

 

上記のように、高温環境下で生まれるスラッジは、機械の寿命を縮める要因になりかねません。

 

したがって、自社機械を守るためには、スラッジの除去や油中の不純物を浄化する作用をもった潤滑油の使用が求められるでしょう。

 

【関連記事】潤滑油のスラッジとは?発生の原因や対策を徹底解説

 

デメリット④:出火のリスクが高まる

高温環境下で取り扱う潤滑油は、火災のリスクが高まります。

 

なぜなら、高温環境下では潤滑油が引火点に近づきやすく、火花などの熱源に接触することで、出火する可能性もあるからです。

 

また、潤滑油は危険物指定がない場合が多く、取り扱いに注意が行き届かないこともあります。

 

しかし「潤滑油は高温で発火する」ということを忘れてはいけません。

 

機械のメンテナンス時や潤滑油の補充時などは、引火点や自然発火温度に十分に気を配り、火災防止の対策を徹底しましょう。

 

潤滑油はどの程度の加熱まで耐えられる?JAX製品の耐熱性能を紹介


一般的な潤滑油とJAX製品の耐熱性能について解説します。

 

自社の環境に合った潤滑油を選定するためにも、潤滑油の種類ごとに耐熱性能を確認しましょう。

 

一般的な潤滑油の耐熱性能

一般的な種類である石油系潤滑油の使用可能温度は、150℃以下といわれています。

 

ただし、潤滑油の耐熱性能は、基油(ベースオイル)の成分や含有している添加剤によって変化するので、製品ごとの確認が必要です。

 

グリースの場合は、増ちょう剤と基油の成分で耐熱性が異なります。

 

種類 使用可能温度(耐熱性)
増ちょう剤 石けん系 約70℃~180℃
非石けん系 約150℃~250℃
基油 鉱物基油 ×
合成基油

増ちょう剤は、高温下で構造の損傷や劣化が進行します。

 

そのため、耐熱性能のないグリースの場合は、高温下で粘度や潤滑性能を維持できない可能性があるのです。

 

なお、グリースの耐熱性を示す指標の1つに滴点があります。

 

滴点はグリースが液状に変化する温度を指し、その温度を超えると摩擦や摩耗が進行するリスクが高まります。

 

したがって、高温下でも使用可能なグリースを選定する際は、製品の滴点を確認しましょう。

 

JAX製品の耐熱性能

例として、弊社「JAX-JAPAN」が提供している商品の耐熱性能を紹介します。

 

  1. パイロコートFG(H1チェーン油)
  2. パイロコート(H2チェーン油)
  3. ハローガードFG(H1グリース)

 

他にも、さまざまな用途で使用可能な耐熱潤滑剤を取り扱っています。

 

自社の環境・用途に適した耐熱潤滑剤をお探しの方は、ぜひご確認ください。

 

>>耐熱商品一覧はコチラ<<

 

製品①:パイロコートFG(H1チェーン油)

パイロコートFG(H1チェーン油)は、高温下の食品製造機械に適する潤滑油です。

 

FDA(アメリカ食品医薬品局)に規定された原料のみで作られているため、万が一、製品に潤滑油が混入しても、消費者への健康被害を最小限に抑えられます。

 

また、315℃までの高温環境でも高い潤滑性能を維持できるため、製パン・製菓オーブンや焙煎機などの食品製造機械の潤滑に役立つでしょう。

 

さらに、自浄作用も備えており、スラッジの発生を防げるのも特徴です。

 

機械の寿命を延ばすだけでなく、潤滑油自体も長持ちしやすいため、メンテナンスコストの削減につながるでしょう。

 

>>パイロコートFG(H1チェーン油)はコチラ<<

 

製品②:パイロコート(H2チェーン油)

パイロコート(H2チェーン油)は、独自の新エステル技術により作られた100%合成油の特殊耐熱潤滑油です。

 

320℃まで耐えられる高い耐熱性により、スラッジの発生を防ぎ、機械部品の長寿命化に期待できます。

 

また、メンテナンスの手間を減らせることで、製造の効率が上がり、コスト削減にもつながるでしょう。

 

なお、パイロコート(H2チェーン油)は、食品との接触が起こりえない箇所で使用する潤滑油です。

 

一方、パイロコートFG(H1チェーン油)は、偶発的に食品との接触が起こりえる箇所で使用する潤滑油となります。

 

同じ食品機械用潤滑油でも、H1とH2では使用可能箇所が異なることを把握しておきましょう。

 

>>パイロコート(H2チェーン油)はコチラ<<

 

製品③:ハローガードFG(H1グリース)

ハローガードFG(H1グリース)は、使用可能箇所が幅広く、耐熱性に優れた半個体状の潤滑剤です。

 

ハローガードFG(H1グリース)の滴点は254℃〜316℃であり、パイロコートFG(H1チェーン油)などと同様の耐熱性能があります。

 

また、耐水性や他種のグリースとの互換性、耐摩耗性、防錆性などを備えているのも特徴です。

 

したがって、幅広い食品工場における高負荷な機械の需要に対応可能な潤滑剤といえるでしょう。

 

>>ハローガードFG(H1グリース)はコチラ<<

 

加熱状態でも高性能を維持できる潤滑油をお探しなら


潤滑油は加熱状態が続くと、粘度の低下から始まり、最終的には引火や着火のリスクがあります。

 

そのため、工場などの現場では潤滑油の適切な温度管理やメンテナンスが必要です。

 

しかし、潤滑油は多種多様に展開されており、自社の環境や用途に最適な製品を選ぶのは難しいかもしれません。

 

もし、高温下の使用に最適な潤滑油をお探しであれば「JAX JAPAN」にお任せください。

 

JAX JAPANでは、お客様の用途や潤滑環境に適した耐熱潤滑剤を豊富に取り扱っております。

 

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