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ブログその他潤滑油PAOオイルの特徴とは?使用するメリット・デメリットやおもな種類を解説

その他潤滑油 2024.10.11(Fri)

PAOオイルの特徴とは?使用するメリット・デメリットやおもな種類を解説

PAOオイルの特徴とは?使用するメリット・デメリットやおもな種類を解説

PAOオイルは、高い性能を誇る潤滑油として知られています。
実際に自社機械に使用する潤滑油として、PAOオイルの採用を検討している方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、PAOオイルには複数の導入メリットがあると同時に、デメリットも存在します。
そのため、製品の特徴や種類、活用しやすいシーンなどを正しく理解したうえで、導入することが大切です。

 

本記事では、PAOオイルの特徴と使用するメリット・デメリットを詳しく解説します。
また、製品の種類や用途も紹介するので、自社の潤滑環境にとって最適な潤滑油を見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

PAOオイルとは

PAOオイルとは、原料にPAO(ポリアルファオレフィン)を使用した潤滑油です。

 

PAOとは、硫黄や窒素、芳香族といった不純物を含まない「合成系炭化水素」を意味し、エチレンを原料とするα-オレフィンから化学合成によって生成されます。

 

したがって、ベースオイルにPAOを使用したPAOオイルは、化学合成油に分類されます。

 

化学合成油は、鉱物油と比較して不純物が少なく、温度変化や劣化への安定性も高いのが特徴です。
高温下や低温下、真空下など、過酷な環境でも性能を発揮しやすい高品質な潤滑油といえるでしょう。

 

PAOオイルの特徴・メリット5選

PAOオイルの特徴や使用するメリットは、以下の通りです。

 

  1. 粘度指数が高い
  2. 低温流動性がよい
  3. 蒸発しにくい
  4. 耐久性・安定性に優れる
  5. トラクション係数が低い

 

それぞれの特徴を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

特徴①:粘度指数が高い

PAOオイルは粘度指数が140程度と、鉱物油よりも温度変化に強い特性を備えています。

 

粘度指数とは、潤滑油の粘度が温度変化によって影響を受ける度合いを表す数値です。
粘度指数が大きければ大きいほど、温度変化によって粘度が変わりづらいため、幅広い環境で厚い油膜を保持できる高品質な潤滑油といえます。

 

したがって、高い粘度指数を誇るPAOオイルは、焼きつきやスラッジの発生など、トラブルが発生しやすい高温下でも安定的な潤滑を実現しやすい製品といえるでしょう。

 

なお、JAXJAPANでは、耐熱性に優れる高性能な潤滑剤を複数提供しています。
使用環境や用途に合わせて、幅広い製品レパートリーをご用意していますので、自社機械に適した耐熱潤滑油をお探しの方はぜひご確認ください。

 

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【関連記事】粘度指数とは?計算方法や粘度指数向上剤のメリット・デメリットを解説

 

特徴②:低温流動性がよい

PAOオイルは低温流動性にも優れており、約−60℃の環境でも液体を維持できます。

 

低温流動性とは、低温化における潤滑油の固まりにくさを表す数値です。
低温流動性が高いほど、低温化でも凍りづらく、潤滑油として本来の性能を発揮しやすいといえます。

 

つまり、PAOオイルは高温下だけでなく、低温化でも高い潤滑性能を発揮できる汎用性の高い潤滑油といえるでしょう。

 

特徴③:蒸発しにくい

蒸発しにくい点もPAOオイルの特徴です。

 

科学的に合成されたPAOは、分子構造が均一なので、高温における蒸発損失が少ない傾向にあります。
100℃における動粘度が同じでも、鉱油とPAOオイルでは、蒸発量に20%弱の差が生じるケースもあるようです。


引用元:ポリ-α-オレフィン系合成潤滑油

 

蒸発量が少ないPAOオイルであれば、一度のオイル注入・塗布で長期間の機械潤滑が可能です。
継ぎ足しやオイル交換の頻度も少なくて済むため、潤滑油の蒸発が原因となるトラブルの予防や、メンテナンスコストの削減にもつながるでしょう。

 

特徴④:耐久性・安定性に優れる

PAOオイルは耐久性や安定性に優れており、長期間、潤滑性能を維持できる傾向があります。

 

前述した通り、高い熱安定性を誇るだけでなく、酸化もしづらいため、スラッジ生成の予防にも効果的です。
なかには、高温下で稼働する機械の軸受油にPAOオイルを使用した結果、潤滑油の耐久寿命が3倍以上に伸びた事例もあります。

 

潤滑油の長寿命化を実現できるPAOオイルは、コスト削減や省資源にも役立つでしょう。

 

特徴⑤:トラクション係数が低い

トラクション係数が低い点もPAOオイルの大きな特徴です。

 

トラクション係数とは、オイル同士やオイルと潤滑部分の接触面で働く、摩擦力や引きずりやすさを表した数値を意味します。
潤滑油の粘度や成分によってトラクション係数は変化し、低ければ低いほど、機械部品はスムーズに駆動します。

 

したがって、トラクション係数が低いPAOオイルを使用することで、少ない電力で効率的に機械を動かせるでしょう。

 

PAOオイルのデメリット2選

PAOオイルは数々のメリットを誇る高性能潤滑油ですが、以下のようなデメリットもあります。

 

  1. コストがかかる
  2. シール材への攻撃性がある

 

デメリットも正しく把握したうえで、PAOオイルが自社に適した潤滑油なのか判断しましょう。

 

デメリット①:コストがかかる

PAOオイルの最大のデメリットといえるのが、イニシャルコストが高い点です。

 

高性能な分、製品の価格も高く、鉱物油と比較して数倍のコストがかかるケースもあります。

 

そのため、工業用としては一般的とは言いがたく、鉱油系潤滑油では対応が難しい部分へ使用する問題解決型の導入が多いようです。

 

ただし、PAOオイルによるメンテナンスコストの低減や省エネルギー化を考慮すると、長期的なトータルコストを削減できる可能性もあるでしょう。

 

デメリット②:シール材への攻撃性がある

PAOオイルのデメリットとして、シール材への攻撃性も無視できません。

 

PAOオイルの成分と潤滑部位に使われているシール材が反応し、収縮してしまうと、オイル漏れを引き起こす可能性があります。

 

必ずしもシール材の劣化を引き起こすわけではありませんが、潤滑油に含まれる成分と潤滑箇所の材質を確認したうえで使用することが大切です。

 

PAOオイルのおもな種類・用途4選


ここからは、PAOオイルのおもな種類と用途を解説します。

 

  1. 軸受・チェーンオイル
  2. ギヤオイル
  3. コンプレッサーオイル
  4. 油圧機器油

 

自社機械に使用できるPAOオイルをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。

 

用途①:軸受油・チェーンオイル

PAOオイルは、軸受油・チェーンオイルとしても使用されます。
軸受油は軸受(ベアリング)、チェーンオイルはチェーンの摩擦部分に、それぞれ使用する潤滑油です。

 

PAO系の軸受油・チェーンオイルは、おもに熱酸化安定性を求められる環境で使用されます。

 

なお、JAX JAPANでは、耐摩耗性や酸化安定性はもちろん、耐熱性や耐水性にも優れたチェーンオイルを取り扱っています。
過酷な環境でも高い潤滑性能を維持できるチェーンオイルをお探しの方は、以下の製品ラインナップをご確認ください。

 

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【関連記事】チェーンオイルの必要性とは?おもな役割と代表的な種類・特徴を解説

 

用途②:ギヤオイル

PAOはギアオイルのベースオイルにも使われます。
ギヤオイルは、機械のギア部分に使われる潤滑油です。

 

高い粘度指数と低温流動性を備えたPAO系のギヤオイルは、おもに高温になりやすい環境下や温度変化が激しい屋外機器用ギヤ設備などで使用されます。
トラクション係数も低いため、負荷がかかりやすいギヤの駆動をスムーズにし、省エネ化を実現するのに役立つでしょう。

 

なお、JAX JAPANでは、耐熱性や耐摩耗性に優れたギヤオイルを取り扱っています。
高強度の油膜によって、自社機械の長寿命化を実現できるギヤオイルをお探しの方は、以下の製品ページをご確認ください。

 

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【関連記事】ギヤ油とは?JIS規格1種と2種の違いや粘度別の種類をプロが解説

 

用途③:コンプレッサーオイル

コンプレッサーオイルにもPAO系の製品は存在します。
コンプレッサーオイルとは、空気を圧縮する機械であるコンプレッサー内部のピストンやシリンダー、軸受などを潤滑するオイルです。

 

PAO系のコンプレッサーオイルは、おもに高い酸化安定性やスラッジ対策が求められる環境で使用されます。
また、水分離性や消泡性もPAO系コンプレッサーオイルに求められる性能です。

 

なお、JAX JAPANでは、酸化安定性や耐熱性能に優れ、スラッジの生成を抑制できるコンプレッサーオイルも提供しています。
自社のコンプレッサーを守る高性能なコンプレッサーオイルをお探しの方は、以下の製品ページをご確認ください。

 

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【関連記事】コンプレッサーオイルとは?粘度別の種類や交換の目安・適正量を解説

 

用途④:油圧作動油

PAOオイルは、油圧作動油としても使用されています。
油圧作動油は、油圧装置の動力伝達や潤滑、冷却などの役割を果たす潤滑油です。

 

PAO系の油圧作動油は、おもにオイルが高温化しやすい高圧機器や、油圧機器の動きが鈍化しやすい寒冷地で使用されます。
また、PAOオイルは粘度指数向上剤を添加せずとも高い粘度指数を保ちやすいため、剪断による粘度低下を回避し、油圧作動油に必要な長期間安定した粘度特性を実現可能です。

 

なお、JAX JAPANでは、さまざまな環境に適応可能な高品質の油圧作動油を提供しています。
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【関連記事】油圧作動油とは?おもな種類や粘度の違いを解説

 

自社機械の長寿命化を実現するPAOオイルをお探しなら


自社機械の長寿命化を実現するPAOオイルをお探しなら、ぜひJAXJAPANのPAO系潤滑油をご活用ください。

 

JAX製品はベースオイルに使用温度の範囲が幅広く、耐熱性と潤滑性能に優れるPAOと、酸化安定性の高い流動パラフィンを使用しています。
過酷な使用環境でも高い潤滑性能を維持できるため、機械の長寿命化やメンテナンスコストの削減など、さまざまなメリットに期待できるでしょう。

 

そのうえ、お客様の用途や使用環境に応じて、幅広いラインナップの潤滑油も提供しています。
自社にとって最適な性能を持つ潤滑油をお探しの方は、下記の「商品ラインナップ」をご確認ください。

 

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